古文書講座「上級コース」の古文書『彩画職人部類』ご紹介
今回は「上級コース」のテキスト、
『彩画職人部類』をご紹介します。
日本が誇る伝統職人の匠の技は
後世に残していかなければならないもののひとつですが、
それが今も残り続けているかというとそうではなく、
日本人の生活スタイルの変化でモノが消滅してしまったものや
機械化されて職人技が必要ではなくなってしまったものも多数あります。
ですから、現代のわたしたちは昔の職人とはどういったものかを
ほとんど知らないと思いますが、
その詳細な姿を目にすることができるのがこの古文書です。
トップ画像は「経師(きょうじ)」で、書画を表装する職人です。
私は長いこと書道をやっていましたので
どうしてもこの分野に目が向いてしまいますが、
今はどのようなやり方に変化しているのかはまったく知りません・・。
これ以外にも「畳指し」「籠作り」「ビイドロ吹き」
「琴師」「カルタ屋」「具足師」「冠師」「筆結」「硯彫」
といったものもあり、
女性が作業をしている「糸組み」「紙漉き」「扇折り」
というものも見られます。
全部で28種類の職人が紹介されています。
それぞれの説明文は長短さまざまで、
中には短い漢文もいくつか混ざっており、
色とりどりの文章が楽しめます。
見開き1ページで一職人が完結できるため文章量は少なく
一見簡単そうに見えるのですが、
それは見事に裏切られます。
変体仮名が読めることはもちろん、
漢字のくずし方も一筋縄ではいきません。
リアリティ溢れる素晴らしい絵柄を100%楽しむためにも、
しっかりと読む力をつけてから臨まれることをおススメします。